今月紹介する本~3月~
今月紹介する本
【いい加減のすすめ】を読んで
一般的には、「遅い」よりも「速い」ほうがいいと考えられている。だが、それは目的を達成したり目的地に到達する焦点を当てたときの考え方である。そこではスピードが速いほうがいいとするのももっともである。だが、人生の内容に焦点を当てると、時間が少なくて済むことは問題とはならない。それよりも、生きている経過がいいかどうかのほうが大切であろう。
嫌なことをするときは、時間が速く進んでいってほしい。その時間と空間からスピーディーに逃げ出したいからだ。他方で楽しいことをするときは、その時間の進む具合は遅ければ遅いほどが望ましい。人生の進み具合が早ければ死期が早くやってくることにほかならない。やはり、できるだけ中身の充実した人生を「ゆっくりと」過ごしたいと思うのが普通であろう。
速くを望んで早くを目指すよりも、仕事の場であれ日常生活の場であれ、ゆっくりと人生を味わう姿勢を楽しんだほうがいいだろう。スピード狂という世の流れには与することなく、緩やかに流れていく人生の流れを悠然として心行くまで味わう余裕が必要である。
今の世の中、ある程度は、世間の流れとの「折り合い」をつけながら生きていく知恵と計算も、時にではあるが必要になってくる。
そのために必要なのは、その時と、その場所と、その場合に対して、最も適切な「加減」を考えてフレキシブルに身を処していく機敏さである。
著書:いい加減のすすめ 著者:山崎武也 より引用
今回は、山崎武也さんの著書「いい加減のすすめ」を紹介させていただきました。
「どちらかではなく、どちらにも…」や「時代遅れも未来に役立つかも…」など、力をちょっと抜くだけで見えてくるものがあることに気付かされる本書。
あと少し、自分にやさしくしてみる、もう少し、生きやすくなってくる、ほどほどに無理なく、寛容に「加減上手」で生きるヒントが書かれている本でした。
【もっと思うまま、自由に、寛大に!】