今月紹介する本~4月~
今月紹介する本
【居場所。ひとりぼっちの自分を好きになる12の「しないこと」】を読んで
白か黒。意見がまったく対立してしまった時には、どうすればいいのか?
これって、学校や会社や家の中でも、ものすごくよくある話だと思います。
「紅生姜のない牛丼なんてありえへん」
「牛丼に紅生姜を載せるのは邪道や」
こういう他愛のないものだけでなく、「環境を守るのか、経済の活性化か」といった、もっと難しい問題もあります。特に今は、白黒はっきりさせるのが、大流行です。
「エビデンスからしてAの治療法が正しい。Bは科学的根拠がないから間違いだ」
「恋愛は自由だけれど、不倫は大犯罪だ」
「それはあなたの個人の感想ですよね。証拠を示してください」
なんでもかんでも白チーム、黒チームに分かれて、どっちが正しいかはっきりさせようとする。何が善で、何が正しく、何が間違っているかを、いろんな証拠だの科学だので整理整頓しようとします。
それを「論破!」なんてやる人もいて、「いやあ、頭のええ人や、芸風として成立してはる」と見ていて感心するのですが、現実の世界はまた違います。白黒つけるというのをやりすぎると、関係が壊れたり、何かが失われたりしていくことは、案外たくさんある気がします。
【「相互主観」という考え方】
「絶対だ」と思っても、それは自分の主観です。相手の主観とは異なり、相手は相手で「絶対だ」と思っている-当たり前の話です。
野中郁次郎先生は、こんなこともおっしゃっています。
「人間は、それぞれが別の主体でありながら、共感し合って、相互に了解し合う『みんなの主観=相互主観』をつくる」と。
「みんなの主観」をつくるなら、自分一人で完璧を目指さずにすみます。
著書:居場所。ひとりぼっちの自分を好きになる12の「しないこと」
(㈱サンマーク出版)
著者:大崎洋より引用
今回は、大崎洋さんの著書「居場所。」を紹介させていただきました。
「しないこと」をそれぞれエッセイの様に非常に読みやすい内容になっています。
この本に書かれていることは、何事も無理するもんじゃないし、下手に競うこともない、それでも何かしらダメだったときは、しゃーない。相談しなくても、解決しなくても、仕方ないと受入れ、「しゃーない」とだましだましやっていくと、そのうちいい風も吹いてくる。そんな生きる知恵みたいに思えてくる言葉、「しゃーない」。
もし孤独を感じている方がいたら、必ずあなたの頑張りを知ってくれている方が近くにいると信じて踏ん張って欲しい。
しんどい時や辛い時、一度立ち止まって読んでみることをお勧めします。