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言葉の力、誰のため? 〜福祉の現場から思うこと〜

7月1日の読売新聞「編集手帳」には、こんな言葉が紹介されていました。
「聖人の言葉は耳に残る」。昔から、人の心に響く言葉というのは、徳や知恵を備えた人が発するものだと言われてきました。
でも今の世の中では、そんな重みのある言葉よりも、軽やかで耳ざわりのいい言葉のほうが、あっという間に広がってしまう──そんな内容でした。

これを読んで、僕たちが日々向き合っている「福祉の現場」でも、言葉の持つ力を実感する場面がたくさんあるなと思いました。

たとえば、ある利用者さんに何気なくかけた「大丈夫だよ」「ゆっくりでいいよ」の一言が、ふっと相手の表情を和らげることがあります。
反対に、無意識に発した言葉が、後になって「あの時ちょっと傷ついていたんじゃないかな…」と反省することもあります。

人と人との関わりにおいて、言葉はとても繊細で、とても大切なものです。
だからこそ、「誰に届けるのか」「どんな想いで言葉を選ぶのか」を、僕たちは日々意識していく必要があると感じています。

政治やニュースで流れる言葉にも、同じことが言えるのかもしれません。
選挙前には「皆さんの声を大切にします」「誰ひとり取り残しません」といった言葉が飛び交います。
もちろん、その言葉に込められた願いや理想を否定するつもりはありません。
けれど、耳あたりの良さだけで終わらず、「実際に誰の暮らしをどう支えているのか」という現実にまで踏み込んでいるかどうかを、私たち一人ひとりが見極めていくことが大事だと思います。

福祉の仕事は、社会の中でも特に「声が届きにくい人」のそばにいる仕事です。
だからこそ、表面的な言葉ではなく、その奥にある本音や想いを汲みとり、必要な支援につなげていく姿勢が求められます。

言葉は、誰かを救うこともあれば、誰かを置き去りにすることもある。
そんな繊細なものであることを忘れずに、今日も「今、目の前にいる人」に向けて、ていねいな言葉を選んでいきたい。
それが、僕たちが大切にしている「寄り添う支援」の第一歩なのだと思います。

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