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今月紹介する本~1月~

今月紹介する本

【ケアしケアされ、生きていく】を読んで

 

関連性に基づくケア

「他者に依存せずに一人で生きていけること」というのは、自立のように見えて、社会的孤立に繋がりかねないと思っています。「一人で生きていく」のは心身にエネルギーがみなぎっていて、一定規模の経済的基盤があれば、他者に遠慮せずに済むし、自分勝手にできる、という意味で、楽でもあります。なるべく依存を減らしても生きていけるよう、頑張ってリスク管理をしておられる方もいるかもしれません。

でも、新型コロナウイルスにかかる、地震や豪雨災害の被害を受ける、事故に遭うなどは自己管理だけでは防ぎようのないことです。そういう時には、自分の身の安全を確保した上で、ほかの人のためにできることを、できる範囲でする。それは、社会的孤立とは反対の、身近な周囲からの連帯だと思うのです。

これを「面倒なしがらみだ」と思う人もいるかもしれません。でも、あなたが赤ちゃんだった頃、あなたへのケアを「面倒なしがらみ」だと周囲の大人が拒否していたら、そもそもあなたはこの世に存在していません。つまり、あなたがここまで生きのびてきたのは、一人で暮らせなかった(経済的にも身体能力でも自立ができていない)あなたのことを、気にかけ、手を差し伸べてくれた人がいたからです。あなたの尊厳を大切にし、あなたが選んだり決めたりするニーズをあなたは支えてもらったからこそ、暮らせています。

私自身を振り返ってみると、子供が生まれる前までは、これらのことをまったく意識していませんでした。自分が努力した結果得られなかった成果も、できなかったことも、自己責任だと思いこんでいました。睡眠時間を削って、必死になって働いていました。だからこそ、娘が生まれ、出張や講演などを断り、娘のケアにエネルギーを注いで仕事をしていないと、仕事の世界から置いてけぼりになる恐怖を抱えていました。

しかし、その時の私に大切な別の価値観を教えてくれたのは、他ならぬ赤ちゃんの娘でした。彼女のニーズを満たすためには、泣いている時に、お腹が空いているのか、眠たいのか、しんどいのか、退屈なのか…を見極める必要があります。それは、彼女との関係性を深めないと、できないことです。そうやって娘に関わり続ける中で、娘のニーズが満たされた時に見せてくれる笑顔は、文字通りの値千金です。この子のおかげで父親になれた、と関係性の中で自らの存在を確かめ直すこともできました。それは、娘の依存に基づく親密な関係だけれど、娘から父として承認されたことが、私自身の生きがいにもなっている、という意味では、私も娘に依存する、相互依存的な関係でした。

私は娘がすくすく育つようにケアをしてニーズを支える一方で、娘を通じて私はケアの面白さを教わり、娘を通じて父として生きる醍醐味を教わった。そういう意味で、互いが互いを必要とする関係性であり、この相互依存的な関係性こそが、ケアの醍醐味だと思うのです。

 

                    著書:ケアしケアされ、生きていく 著者:竹端寛より引用

 

 

今回は、竹端寛さんの著書「ケアしケアされ、生きていく」を紹介させていただきます。

基本的なケアの考え方から昭和に換算すると「昭和98年」的世界と捉え直すことで今の日本社会のモヤモヤやおかしさに説明がつく…という視点は面白い。またご自身の子育ての実体験の気づきをわかりやすく書いてくれているので、説得力のある本だと思います。過去の日本社会の構造を学び直し、その抑圧や呪縛から逃れることがケア的関係性かもしれないと感じた本でした。興味のある方は是非手に取って読んでみてくださいね!

 

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